今回は、小幡和輝さん(@nagomiobata)の最新著書『ゲームは人生の役に立つ。生かすも殺すもあなた次第』を31歳の夫婦で読みました。
タイトルにあるとおり「ゲームが人生の役に立つかはあなた次第」という、ゲームとのかかわり方について小幡さんの実体験と、小幡さんと親交の深い方たちとの対談を通して考えていく話です。
この本のメインターゲットは「子育て世代の親」です。明確に書かれていませんが、読んだ私たちはそう感じました。
子育ての中で次のようなことを考えている人が読めば、あなたの考え方を少し広げてくれます。
こちらの小幡和輝さんの公式ブログで、一部無料で読むこともできます。

ゲーム肯定派・ゲーム否定派のどちらも新たな気づきが得られます。
- 子どもがゲームばっかりしてるから将来が心配
- ゲームを止めさせた方がいいの?
- ゲームばかりで暗い子になっちゃうのかな
- 夫が子どもにゲームばかりさせてるのが心配
- 妻が子どものゲームに理解を示してくれない
私たちは、夫婦でこのようなスタンスでこの本を読みました。
ふぁみぱぱ
- ゲーム大好き
- 小学生のころからゲームをやってきた
- 周りの友達もゲームをしていた
- 子どものゲーム肯定派
- 将来は子どもとゲームをしたい
マミー
- ゲームに一切興味なし
- ゲームをしている友達は多かったがゲームが話題にあがることは少なかった
- 子どものゲーム否定派
- 子どもには体を動かして外で遊んで欲しい
『ゲームは人生の役に立つ。』著者の小幡和輝さんについて
著者の小幡和輝さん (@nagomiobata) を簡潔に書くとこんな感じの方です。
幼稚園のころから休みが多くなり、
10年ほど不登校が続き、
不登校中に3万時間をゲームに費やした24歳

幼稚園から不登校で、小中学校とほとんど行ってなかったっていうのは、ぼくたちからすると考えられない感じだね。

幼稚園のころからって何があったんだろう。
そんな状況の中ゲームによって救われて、著書を持ち、内閣府地域活性化伝道師として活動されているとのことで驚きです。
すでに第1作目で『学校は行かなくてもいい』という本を出版されていて、こちらも不登校に悩む方の希望になる本のようです。
今回の『ゲームは人生の役に立つ。」は、そんな小幡和輝さんの第2作目となります。
『ゲームは人生の役に立つ。』を実際に読んでみて
タイトルや表紙とのギャップ

本の表紙にコントローラが描いてあるから、てっきりテレビゲームが人生の役に立つ話なのかと思った。
ゲームっていうと、画面と向きあってするものしかイメージが湧かないなぁ。

うん、ゲーム=テレビゲームっていう感覚だよね。

私はテレビゲームに全く興味がないから、
「ゲームをずっとやってるとどう役に立つのかな?」
「私もゲームしとくべきだったのかな?」
っていう好奇心を持ちながら読んだよ。
でも実際に読んでみると、囲碁とかスポーツもあってコントローラを使うゲームの話だけじゃなかったね。

広い意味でのゲームという話を取り扱ってるみたい。

本当は、興味のないテレビゲームに興味を持たせてほしいという期待もあったんだけど、そういう点では少し期待外れかな。

囲碁や将棋、カードゲームとかの話も出てたけど、そういうのはテレビゲームと違ってそんなに印象悪くないもんね。
ぼくはゲーム全般肯定派だから、この小幡さんなりの意見を見てみたいなっていう思いで読んでたよ。
『ゲームは人生の役に立つ。』のジャンルやターゲット

ゲームを正しく活用し、人生を豊かにするツールとして使って欲しいです。
出典:小幡和輝オフィシャルブログより
社会人に向けた自己啓発本であり、子育て本でもあります。
この本のジャンルについてご本人が書かれていますが、自己啓発本という印象はあまりなかったかな。
子育て本という方がしっくりくるね。

ゲームが大好きな子を持つ親に向けた本っていう印象だね!
本の構成やストーリー

対談形式の本だから、起承転結もストーリー性もなくて、章立ての感じがちょっとわかりにくかったかな。

確かに。
対談っていうことであれば、本じゃなくて動画でリアルな話しぶりも含めて見たかったな。

うんうん、動画だとわかりやすいかも!
家事しながら音声だけ聞いたりもできるしね。
気になったところは本で読む、って感じで。
保護者から見た「子どもがゲームをする姿」

保護者の視点からはゲームをしている子どもを見ても、何かが積みあがってるとは思えないんだろうね。
出典:『ゲームは人生の役に立つ。』
この言葉、すごく共感できた。
子どもたちが夢中でも、側で見てる親の立場からすると
「何か積みあがってるの?」
ってモヤモヤしちゃうのが本音かな。

なるほど。

でも小幡さんみたいに、ゲームの大会に積極的に出て他の子と交流していくのは良いことだよね。
そういう大会で勝つことで自己肯定感を得られたのも良いね。
ゲームっていうと引きこもって一人でずっとしてる印象だったから、こういったゲームの仕方なら良さそう。

確かにね。
何かをして積みあがるのは「知識」みたいなものを想像しがちだけど、コミュニケーションの方法とか好奇心とかの面でも積みあがってそうだね。
子どもの頃にゲームをできなかった子は大人になって後悔するのか

親の方針とかでゲームをやってこなかったことを、今になって後悔している人は結構多い。
出典:『ゲームは人生の役に立つ。』
わたしは親の方針でゲームが家になかったのもあったけど、わたし自身が興味持たなくて全然ゲームに触れずに31年間生きてきた。
それを後悔したことは1ミリもないよ。
友達にゲームをしている人もいたけど、会話ができなくて困ったりとか、ゲームしといたら良かったって後悔したこともないなぁ。

確かに。
マミーと周りの友達を見てると、異文化というか全くゲーム臭がしないよね。
なんていうか、ゲームという概念の無い世界みたい(笑)

ゲーム好きな人しか周りにいない環境で育ってるからそう感じてるのかな。
でもこれは男性と女性で少し違うかもしれないね。
勝手なイメージだけど、子どものころの印象では男の子の方がよくゲームをしてたと思うから。

そのイメージはあるね。
女の子はゴム跳びとかピアノ、おままごととかをしてたね。

ゲームは世代間で共通の話題作りにもってこいだと思うけど、ゲームの話に入ってこれない人は、仕事合間の談笑とかでも少し会話に入りづらそうにしてるよ。
それだけゲームが世の中に浸透してるんだなって思ってるけど。

そうなんだ…。
本の中でも書かれていた通り、ゲームの市場規模ってけっこう大きいから、わたしみたいに全くゲームしてこなかった人のほうが、周りの人からすると不思議なのかもしれない!

ぼく自身も仕事場では「かたい」って思われてるけど、ゲーム好きだってことが伝わると打ち解けやすくなるし、親しみを持ってくれるようになるよ。

うんうん。
そういう観点だとゲームっていいね。

でもこれってゲームに限った話じゃなくて、「共通の話題」とするためのツールだね。
コミュニケーションのツールとしても、ゲームも良いものですよ。っていうくらいの感じだね。
じゃぁ子どもたちにゲームをさせた方が良いの?

今はスマホでも簡単にゲームができて、これからももっとゲームは増えてくると思う。
ぼくたちの子どももゲームと切り離して生活させるって無理だと思う。
それであればこの本を読んでおいて、ゲームを「ツール」としての活用の仕方を学んで、子どもたちにそういう支援をしてあげられると良いよね。

うんうん!そうだね!
熱中して遊んでいる人は魅力的か?

そんなことが書かれてあったけど、ゲームに関して言うと、むしろ熱中している人は「入ってこないでオーラ」が凄くて近寄りづらいかな。
とてもじゃないけど、魅力的っていう感覚はないなぁ。

ぼくも小学生のころ、友達のお兄さんがゲームでうまくいかないとコントローラを投げたりするのを見て、熱中してる人はやばい印象しかないなぁ(笑)

性格変わる人いるよね…。

やっぱりゲーム=テレビゲームとして捉えてるからなのかな。
結局は熱中の仕方や、人によるっていうのが大きいね。

そうだよね。
自分が囲碁とか将棋してても、熱中してると頭フル回転してるから、声かけないで!って思っちゃう。
魅力的には見えてないと思うわ~(笑)
ゲームをしているとなぜ怒られるのか?

母親の立場からすると、ゲームの内容を理解できないから「何をしているのか見えない」っていうのがあるかな。
それに、ゲームに熱中しだすと「構うな」っていうオーラが出たり、コミュニケーションが減ったりするから寂しいっていうのもあるのかも。

なるほどね。

この本にはそういう観点がないよね。
ゲームをしてきた人の観点で「ゲームはいいよ。」って書いてあるけど、その人を取り巻く、周りの人の観点は一切書かれてないよね。
「自分はゲームばかりしてきたけど大丈夫だった」と思っているあなた

「自分はゲームばかりしてきたけど大丈夫だった」と言う人がいるけれども、そういう人は結局自分のことしか見えていない。
「あなたは大丈夫だと自分では言っているけれども、画面と自分だけだったから、奥さんの気持ちもわからない人間になっちゃったんでしょ!」
出典:『ゲームは人生の役に立つ。』
この言葉には少しドキっとしたかな。
やっぱり全体を通して「ゲームは良いよ!」っていうことが言いたいんじゃなくて、コミュニケーションツールの1つとしてゲームも使えますよって言ってるんだね。

うん、確かにそうだね。
ゲームの中でもカードゲームっていいの?

ぼくは昔からカードを売り買いするっていうのができなかった。
特に売るっていうのは保護者の許可がいるけど、「ものを大事にしなさい」の教育方針で売れなかったのはつらかったなぁ。
カードゲームの売り買いとかって、本に書かれてるようにビジネスとか交渉とかのスキルは養われると思うし。

確かにそれは思った。
カードゲームでの売り買いで商売の基礎を学べるのはいいよね。

それにしても、「カードの価値が高まったら売る」っていう話があったけど、カードの価値が高まる=強いカードっていうことで、本来デッキに組み込んで自分で使って勝ちたいと思うんじゃないかなぁ。
売り買いをメインに考え出すと、カードゲームを遊ぶっていう感覚ではなくなるから、この小幡さんはどういう気持ちでカードゲームを遊んでたんだろう。

ホントだね…。
売ったお金で、もっと欲しいカードを買ってたのかな?

でもカードの価値を見極めて、カードを資産として売り買いによって自分で好きなものを手に入れるっていう経験は、すごく良いことだと思う。
『ゲームは人生の役に立つ。』に書かれていない観点

ゲームの話がいろいろと書かれているけど、ゲーム以外の話題ってどうしてるんだろう?
それに、親との会話、親との関係性ってどうなってたんだろうね。
いくらこの小幡さんが外にいっぱい出て友達とゲームをしてたって言っても、親であればとても心配な状況には変わりないと思うんだけどなぁ。

確かにね。
テレビゲームに限らないのかもしれないけど、家族との会話や関係性が希薄になる印象はあるもんね。
4人との対談についても同じ内容を繰り返している部分も多いよね。

うん。
この人たちはどちらかというと小幡さんと同じ「ゲームは悪くないよ」っていうスタンスの人たちだもんね。
正反対の否定派との対談っていうのもないし、ちょっと説明の視点が一方向に寄ってるから、多角的な検討がないよね。

できればそういう観点も今後ブログで補足したりして欲しいね。
もしかすると第1作目に書かれてるのかもしれないけど、1つの本で完結できるように書いてほしいね。
こんな内容があったらよかったな

私としては30,000時間もゲームをしたんだったら、ゲームに全く興味のない私みたいな人でも興味を持てるようなゲームを紹介してほしかったな。
子どもたちがどうせ遊ぶことになるなら、せめて少しでも一緒に楽しめれば嬉しいから。

確かにね。
いろんなゲームをやってきたと思うし、子どもに理解を示せるように何か一緒に楽しめるゲームを紹介してほしいね。
人生ゲームみたいなボードゲームは家族で楽しめるよね!

うんうん、それなら私も楽しめそう(笑)
『ゲームは人生の役に立つ。』を読んで良かったことは?

今まではゲームというと完全否定だったけど、これを読んでからは「アカンで!」と頭ごなしに否定することはなくなったかな。

それは良かった。
ゲーム肯定派としては嬉しい変化。

だからと言って、今ゲームをやっていない子どもたちに「ほらほらゲームゲーム!」って積極的に勧めるかと言われると、そうではないけどね!

笑
『ゲームは人生の役に立つ。」を読んでのまとめ
ゲーム肯定派のパパと、ゲーム否定派のママで『ゲームは人生の役に立つ。」を読みました。
この本を読むことで、ゲームをコミュニケーションツールの1つとして捉えて、有効に活用するという考えが学べます。

『ゲームは人生の役に立つ。』のサブタイトル、『生かすも殺すもあなた次第』ってある通り、どうせ遊ぶならゲームをどう生かすのか?という1つの方法が学べるね。

そうだね。
本の中ではコミュニケーションツールとしての活用方法が書いてあったね。

ゲームは決して悪いものではないというのを推しながらも、ゲームとの関わり方についてはちゃんと注意するように書かれている点が良かったね。

ゲームに否定的な論理的な意見などは無かったから、そういう点はきちんと読む人が考えないといけないね。
少しでも興味を持たれた方は、ぜひ確認してみてください。
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